A8 * 全成分表示はどのように見れば良いのですか


1 全成分表示の導入とその背景

薬事法の改正により2001年4月1日(2002年10月1日より完全実施)以降、製造・販売される化粧品類は製品に含まれる全ての成分を容器に表示する必要があります。
欧米と日本では安全性に関する考え方が基本的に異なって来ましたので、この差を埋めることが目的です。日本では従来、化粧品原料基準などで認められた成分だけしか化粧品に使うことが出来ませんでした。安全性が国の指導で守られてきたものであり、これは世界に誇れる制度でもありました。
一方、欧米では国の認可制ではなく、メーカーの責任において原料を自由に選択することが出来ます。(ただし、配合禁止成分は指定されています。)
日本の制度は消費者保護の面では良い面もあるのですが、貿易障害でもあると諸外国から指摘を受け、法律の改正に至ったと言われています。


2 全成分表示の見方

成分はその化粧品に配合される成分を邦文で明瞭に読みやすい文字で記載することになっていて、一定のルールがあります。
成分の名称は日本化粧品工業連合会が作成した「化粧品の表示名称リスト」に掲載された名称を使用すること。水も含めて配合する濃度の高い順に書くことになっていますが、1%以下のものは順序をどのように書いてもかまいません。
従って、シャンプーなどでは、まず最初に水がきて、次に洗浄成分、という順序になる例が多いです。
化粧品では“〇〇配合”などとPRされていることが多いのですが、これからはその位置によりどの程度配合されているのか、見当をつけることができます。配合濃度は必要ありませんが、ちふれ化粧品のように早い段階から濃度まで公表していた会社もあります。


3 全成分表示の功罪

全成分表示は情報公開については一つの進歩ですが、マイナス面もあります。

1)表示指定成分との関係
別枠で書く必要もないので、全成分表示のなかに埋没してしまいます。
また、特に新しい表示方法では名称が変わることもあります。
いままでシャンプーなどでよく出てきた表示指定成分を新しい表示と対比してみます。旧・表示指定成分だからと言って恐怖感を持つ必要もありませんが、アレルギーなどで、従来から避けて来た方にとっては不便になります。

2)医薬部外品は適用外
化粧品ではないのですから、全成分表示制度は適用されず、表示指定成分の表示義務は残ります。
制度としては問題はありませんが、これを隠れミノにしているような例があるのは困ったことです。
もともとオーバーな表現で(例えば“100%天然成分&アロマテラピー”)、そこまで言うなら内容を見てみたいと思うような製品が、医薬部外品のために成分が表示されていません。
その点、大手の会社では全成分も表示し、効能成分が何であるかも表示している例が多いのは、全成分表示制度の趣旨(お客様への情報公開)が生かされて良いことです。

3)新原料はメーカーと消費者の責任
新制度の導入により、メーカーはその責任において新原料を自由に採用できます。
消費者はそのメーカーを信用して購入することになりますが、従来のように国が責任を取ってくれる訳ではありません。
選択の責任が消費者にも大きくなることを自覚する必要があります。


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